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損保ジャパン

2005年12月01日
 
企業のリスク情報の開示状況と取り組みを分析
− 有価証券報告書におけるリスク情報2期分の比較 −
 

 株式会社損害保険ジャパン(社長:平野 浩志)の関連会社で、リスクコンサルティング業務を行う株式会社損保ジャパン・リスクマネジメント(以下「損保ジャパン・リスク」、社長:瀬尾 隆史)は、このたび2005年(平成17年)3月期の有価証券報告書をもとに、「事業等のリスク」などの開示内容を分析しました。
今期はリスク情報の開示が義務付けられて2期目にあたりますが、前期と比較すると「事業等のリスク」や「コーポレート・ガバナンスの状況」に係わる記載にさまざまな変化が見受けられます。
なお、この分析結果について、損保ジャパン・リスクの情報誌「セイフティ・アイ」(12月1日発行)にとりまとめるとともに、関連セミナー「企業価値の向上に向けて −ブランド価値の向上とリスクマネジメントの実践−」(12月6日、東京)を開催し、解説いたします。

1.本分析実施の背景と目的
2003年3月、「企業内容等の開示に関する内閣府令(以下「開示府令」)」などの改正によって、有価証券報告書への「コーポレート・ガバナンスに関する情報」「事業等のリスクに関する情報」「経営者による財務・経営成績の分析」の記載が義務付けられました。また、昨年度の有価証券報告書提出日以降に発生した記載内容をめぐる不祥事を受け、証券取引法における開示制度の一部改正が行われ、「コーポレート・ガバナンスに関する情報」の充実が更に求められています。
本分析は、公認会計士の石尾 肇氏と損保ジャパン・リスクが共同で、企業の事業リスクなどに対する取り組みのあるべき姿について課題と提言をとりまとめています。具体的には、各業種における代表的な上場企業(68社)を抽出し、有価証券報告書の「事業等のリスクに関する情報」「コーポレート・ガバナンスに関する情報」の記載内容を、昨年と本年の2期分で比較検討し、特徴を抽出した上で行いました。

石尾 肇氏:
1983年、慶応義塾大学経済学部卒業。1984〜88年、監査法人西方会計士事務所(現 監査法人トーマツ)に所属し、大手商社、銀行および医科系大学の法定監査などに参画。1988年、石尾公認会計士事務所を開設し、税務業務を中心に展開するとともに監査法人トーマツにて、主として、株式公開支援業務に従事し、業務責任者として数社の公開準備に参画。1998年、監査法人エーマック(現 監査法人エムエムピージー・エーマック)を設立。代表社員に就任し、法定監査と共にベンチャー・中堅企業支援事業を展開、現在に至る。
FP技能士検定試験委員(現任)、独立行政法人国立病院機構 監事(現任)、日本公認会計士協会非営利法人委員会副委員長(現任)。

2.本分析結果の概要
(1)事業等のリスクに関する情報
38のカテゴリーに分類・整理し、分析を行いました。その結果、最も記載数の多かったリスク項目は「為替および金利の変動リスク」でした。次に続く「気候変動、災害等のリスク」は最も記載数の増加したリスク項目でもあり、昨年度多発した自然災害による被害の影響を色濃く受けた形になりました。また、「情報リスク」や「企業買収等に伴うリスク」など昨今の企業環境の変化に伴うリスクについても大きな増加が見られました。

(2)コーポレート・ガバナンスに関する情報
「事業等のリスク」の開示と関連させて、内部統制システムの整備の状況、リスク管理体制の整備の状況の2点を中心に分析を行いました。その結果、各社ともリスク管理体制の整備や内部統制組織の構築など、具体的な制度の見直しが進んでいると推察され、これを反映して記載内容の充実、具体化が進んでいる企業が目立ちました。しかし、各企業における制度面、体制面に主眼が置かれ、開示対象としたリスクの優先順位付けやそれに関する具体的対応策の記載はありませんでした。今後は、この面での企業の取り組みの進展が強く求められます。


以上